すると、綾音はふとフォークを動かす手を止めて私を見た。 「とにかく。 奈良坂とあんまり親しくすると礼奈に何されるかわからないから、必要以上に近づかない方がいいわ」 「うん……」 「今回の図書室の件は、私からそれとなく礼奈にうまく言っておくから。 これからは気をつけて」 「わかった……」 なんとなく釈然としない感じもしたけど、私は反論する理由も見つからなくて、ただ頷いた。 その後は部活の話になり、奈良坂君の話題はそれきりになった。