そのとき、私達の頼んだ料理が運ばれてきた。 私はナイフとフォークを手に取り、ハンバーグステーキを食べながら聞いた。 「そっか。 礼奈も小学校から一緒なの?」 綾音はひと口水を飲んで答えた。 「ううん、礼奈の家は駅の反対側だから」 「そうなんだ。 あ、この間ね、礼奈の家には行ったんだ。 文化祭で衣装貸してもらえないかお願いしに」 私が言うと、綾音は頷いた。 「ええ、聞いてたわ。 彼女の家は駅の北口だったでしょ? うちも奈良坂の家も南口の方で、礼奈とは小学校の学区が違うの」