「「おつかれさまでした~」」 部活が終わって片付けをしていると、帰り支度を済ませた綾音が近づいてきた。 「栞、行ける?」 「うん!」 綾音は学園近くのファミリーレストランに私を誘った。 それぞれに注文を終えると、綾音は切り出した。 「あのね、奈良坂と礼奈のことなんだけど……」 「うん」 私は綾音が何を話し出すのか想像もつかないまま相槌を打った。 ただ、そういえば綾音は奈良坂君のことを奈良坂って呼び捨てにするんだな、なんて思ってた。