一瞬、図書室で見つめあった奈良坂君の顔が蘇ったけれど、私はブンブンと首を振った。 「そんなんじゃないよ。 ただ聞かれたから図書室の説明しただけで……」 私はまた同じセリフを繰り返した。 すると、そんな私を見て、綾音が聞いてきた。 「今日の部活帰り、ちょっと時間ある?」 「うん、平気だけど……」 「じゃ、付き合って。 ご飯食べてこ」 「うん……」