放課後。 奈良坂君はいつも通りすぐに道場へ向かったようだけど、いつもくっついていく礼奈が今日は教室に残っていた。 私は帰り支度を済ませて席を立った。 すると、礼奈が私の前に立ちふさがった。 「ん?なに?礼奈」 驚いて礼奈を見ると、肩を小突かれた。 「抜け駆けする気?」 「えっ?」 私が答えられずにいると、礼奈はすごんできた。