「サンキュ」 俺は明日香からカードと本を受け取った。 こういう事務処理は得意なんだな。 俺はてきぱきと動く明日香を感心しながら見ていた。 「借りるときは図書カードを忘れないでね。 返すときは本だけ持ってくれればいいよ」 「ああ」 「えーっと、どうしよう。 昼練、あるんだよね? 図書室内の案内はいいかな? 蔵書検索用のコンピュータとか、映画鑑賞できる小部屋もあるんだけど……」 明日香はコンピュータの前を離れながら聞いてきた。