私はドキドキしながら奈良坂君を見た。 「俺に任せとけ。 明日香は挨拶だけしたら、黙ってていいから」 ぶっきらぼうに言う奈良坂君に私は頷いた。 肩に、奈良坂君の手の重さを感じる。 ドキドキに加えて、顔が熱くなってきた。 そこへ、足音が近づいてきた。 奈良坂君の手が離れると同時に礼奈とスーツ姿のおばさんが入ってきた。 すかさず、奈良坂君は立ち上がった。 私も慌てて立ち上がった。