「送ってくれてありがとう。
また、明日ね」


私がエントランスに入って手を振ると、一つ頷いて奈良坂君は帰っていった。


私はガラス越しに奈良坂君の後ろ姿を見送った。



行っちゃった……


あーあ、奈良坂君ってやっぱりかっこいいな。


外見もそうだけど、やることがかっこいい。


私なんて、委員会がうまくいったことに浮かれてだけで、今後のことなんて何にも考えてなかった。


それなのに、奈良坂君はもう次のクラスでの話し合いのこと考えてて。


常に一歩先を行ってる。


そういうのって、ほんとかっこいい。


できる人って、違うんだなあ。


私も足手まといにならないように、頑張らなきゃ。