交点の烈~沈黙するケイタイ~

 相手の年齢性別容姿にかかわらず恋愛感情が欠落しているベリルだといえど、同性からの告白やアプローチにはいささか疑問を抱かざるを得ない。

 去っていく男の後ろ姿を見送ったあと、しゃがみ込んで大きな溜息を漏らした。

「もう早く終らせよう……」

 頭を抱えてつぶやき、気を取り直して立ち上がる。

「いたぞ!」

「!」

 従業員がベリルを見て声を上げ、ようやく気付いた事に少し呆れた。

 逃げ出してからおよそ1時間は経っている。

 銃声を隠すためなのか、工場の機械が一斉に稼働した。

「物騒なものだ」

 壁に身を隠し口の端をつり上げる。