交点の烈~沈黙するケイタイ~

 思わしくないものならば多少、暴れても問題ないだろう。

 彼の『多少』は一般人の『多大』だ。

 好きにさせたらとんでもないことになる。

 しかし彼を止められる者は現在、ここには存在しない。

 とはいえ、日本国という事を少しは考慮してくれるほどには常識人である。

「ふむ」

 どこに向かっているのだろうか……目を閉じて今までの事を思い起こし、推測を重ねる。

 柳田は自分の画像とデータを教祖に見せたと言った。

『あなたは普通の、人間ではないの?』

 ナユタのメールが脳裏に浮かぶ。