交点の烈~沈黙するケイタイ~

「あ、あの……?」

 いぶかしげに見つめる女性に、彼はニコリと笑いかけた。

 40代か50代ほどの女性は、その笑顔に魅入られたように固まる。

「授業でボランティアをしていた際に出会いましてね」

 それに、ああ……と納得したように声をあげた。

「それでナユタさんは」

 家に上がり込む気の無いベリルは、そのまま玄関で質問を続ける。

「ええ、行方不明なんです」

 母親は疲れたように溜息を吐き出す、顔色にも疲労の色が窺えた。

「弟の阿由多(アユタ)までいなくなってしまって……」