あたしの様子がおかしいことに、佐野先生は気づいてくれてるのかな。



「ええ。だからオレ、高村さんを見つけて追いかけちゃいましたよ」



見なくてもわかる。


彼はきっと、タレ目な瞳をさらにたらしてほほ笑んでる。


とても23歳には見えない子供っぽい笑顔を浮かべてる。



たった3カ月しか経っていないんだから。


私の脳裏にはあなたの笑顔が張り付いたままなんだ。



「それなら、積もる話もあるかもしれませんが、

私も高村に用があるので、高村を借りていきます。すいません、安藤先生」