【茶】Brown love★ブスが恋して何が悪い!!


グラウンドに着くと、夕陽に照らし出された一つのシルエットだけが映し出された。その影に、一歩、一歩と近づく。

後ろ姿ではあるけど、髪型や背格好は、私のよく知っている人。制服とはまた違った雰囲気に、胸が高鳴る。

今、手にしているチョコ菓子に祈りを込め、勇気をもらった。


「奥村くん?」

「茶谷? 偶然だな」

違うよ。私は、貴方に会う為に来たの。


「祥子は来ないよ」

「そっか。そういう事か」

大地くんは、何かを納得したのか頭をポリポリと書き出し、ハニカンだ。

頑張れ、私。


「あのね、今日はちゃんと焼けたよ。心を込めて作ったの。約束……したから」

違うでしょ。
そんな事を言う為に来たんじゃないんだから。

「あ、悪りぃな」

まだ、何も気持ち伝えていないのに、涙でそう。