そして、謎に包まれていた4時間目は、徐々に明らかにされてきた。
私、料理大っ嫌いなのに。
……そっか。大地くんは、この事知っていたんだ。だから、朝あんなことを言ったんだ。
それって、私が作る下手くそ料理を食べてくれるって事?
むむむ、無理だから!!
「まぁ、予行練習と思ってさ」
いらない。そんな練習しなくていい!
私の意思は無視され、祥子のか細い腕に引っ張られるようにして、調理実習室まで重たい足を運ばされた。
「さて、皆さん明後日はいよいよバレンタインです。個人的に作られる方もいるとはおもいますが、……──」
先生が一番ハリキっているんじゃない?
弾んだ声に、瞳をクルクル動かしている。



