制服のシワをパンッと伸ばし、朝食もそこそこに済ませて急いで玄関のドアを開けた。

「よぉ、早かったな」

……ありえない。
私は開けた扉の中に戻り急いで閉めた。

幻が見える。私、本当に病気になっちゃったのかな?

深呼吸を大きくして、もう一度ドアを開けた。


「何だよ! いきなりドア閉めたりして」

「ど、どうして?」

「何が?」

「だ、奥村くんがどうしているの?」

「おまえが昨日帰り際に言っただろ」

昨日? みんなが来てくれた時の出来事を思い出すように考え始めた。『明日は学校来い』と言われて……。その後なんか言ったっけ?

熱はなかった筈だけど、思い出すと、ドキドキ感が増しその頃の記憶が曖昧。