「茶谷って本当は可愛いんだな」 えっ!? 誰? 聞き慣れないドスの利いた低い声。 探るように部屋の奥を見ると影が二つ。 視界がようやく開き、確認出来たその先には──。 何がなんだか分からず、言いたいこともまともに言えず、口だけがパクパクと動いている。 きっと端から見たら 「お前、酸欠の金魚みたいになってるぞ」 「祥子?」 「あぁ、ごめんね。驚かせるつもりはなかったんだけどね……──」