海の見えるこの辺りの道は坂道だらけで、高校に入学した頃は自転車をこぐのは骨だったように思う。 今でこそ風のように走る青い自転車。 目が覚めたらとっくに三限目の始まる位の時間だった。 特に急ぐでもなく通り過ぎる波音の曲がりくねった小道。 今日の風は暖かくて眠気を誘ったし、このままサボりを決め込もうとしたけれど兄貴が煩いのでしぶしぶ着替えて学校へ向かう事にした。 強い風が吹いて車輪は揺らめき、思い出す。 …―そういえばもうすぐ、春だ。