俺は再び目を閉じ、華の声に耳を澄ます。



「ここって、普段、車なんか全然こないじゃない?」



華は語る。



――私がいつもどおり歩いていたらね、鳥のヒナが道端で鳴いてて。



助けなきゃって思って。



ヒナを拾い上げたの。



私ったら、鳥の巣を探すのに集中しちゃってさ…。



車がきたのに気づかなかった。



そこで、即死。――





「ばかだったなぁ、私」



ふふ、と女の子らしく笑う華。



………無理して笑うなよ。




「なぁ、なんで俺は華が見えるんだ?」



俺は体を起こし、華が見えることを確認してから聞いた。



確かに、華はいるのに……。




「実は、さ」

「…うん」



言葉を発しない華。



数秒たってから、ゆっくり言った。




「私、ネオくんのこと、気になってたの……」





………え?




俺の聞き間違い、か?





「好きだったの、ネオくんが」