男子はさっきの笑顔とは裏腹に、後ろめたそうな顔。



「………まじ、かよ」

「あ、いや、楠田」



信じらんねぇよ、そんなの。



だって話したんだぜ?



あの河原で………。



『この世界はいいもの』だって。



笑って言ってたんだ。





「ちゃんと確認したんだかんな。青葉中学の名簿で」

「青葉…中学?」



青葉中学って…、
俺の出身中学じゃんか。




「名簿に載ってたんだよ、事故により死亡って…」




見覚えのある制服。



そうだ、あれは青葉中学の制服じゃないか。



なんで気づかなかったんだよ、チクショウ。




「本当なら、俺らと同い年なんだけどな……」



卒業間際で死んだ。




………あの河原で。







なんで、なんで……!



「わりぃ、俺今日は帰るわ」

「なっ、あ、楠田!!」




頑張れよ!


そう手を振っていた。