もし、エースがこの事件から、身を引こうと考えていたら、すでに身を引いているだろう。それが解ってて小宮は、エースにあんな話をしていた。

そんな自分を嫌に思うが、これも性分だ。危険な仕事を他人に任せる。自分はただ報告を待ち、出来る限りの協力だけをする。

「可能だ。この事件の早期解決に繋がるのなら、いくらでも待とう…いま、潜入している仲間の情報を教えてくれ」

この事件に関して、自分の出来る事など、これぐらいしかないのだから。

「解りました。明日、小宮さんのデスクにメールで送っときます…」

エース自身も、小宮に協力を求めるのは、これだけのつもりでいる。

ハヤトの身の危険を最小限にし、自分が危険な場所に突っ込む。もしかしたら、死ぬかもしれない…。

その危険を感じながらも、エースはこの事件と真っ向からぶつかる覚悟を決めていた。

「神が転落する瞬間を、お見せしますよ…今度は逃がさない」











タイムリミットまであと一週間。




人が神を驚かすまであと一週間。



…神が、人に化けたモンスターに襲われるまで。





あと一週間。