この町に帰ってくるのは久し振りだ…。

もう一年は帰ってきていない様な気がする。

ジャッジタウンの中でマスターとしての仕事をし、たまに町の外に出る事はあっても、それは仕事での話であって、プライベートではまずジャッジタウンの外に出る事はない。

ハヤトは、地元の町を適当にぶらついていた。

エース達に、地元で休憩を取れと言われた俺だが、当然、仕事をさせろとエースに食い下がってみたが、口のうまいエースに簡単に言いくるめられてしまい、こうして地元をブラつく事になってしまった。

ハヤトにしてもれば、とても後味が悪い。

だがハヤトは、エースに対して、少し親しみを感じていた。それは、エースがミツハルと同じ雰囲気を持っている男だからだ。

頭の回転が良く、知識も豊富。そして、ハヤトに対しての気遣いなどなど、ミツハルに似ている部分たくさんあるからだ。

そして、ジャックに対してもハヤトは悪い印象はもっていなかった。それどころか、エースよりもジャックの方が嫌いじゃなかったりする。

それは、自分と似ている部分がある様に感じていたから。

ハヤト自身にも、その理由を理解してはいない。だが、同じ匂いを感じているのは間違いなかった。

ハヤトは町を散策しながら、適当に歩いていると、とある場所に目が止まる。それは、雑貨屋だった…。

そして、少し悩みながらも、雑貨屋に足を踏み入れるハヤト…。

10分ぐらい、中で雑貨を見て回った後、何やら会計を済ませ、外に出てきた。

どうやら、何か購入したみたいで、その後、駅の方に向かって歩いて行く。

時間は夜の8時。

ハヤトは、若者であふれかえっている駅のホームに着くと、携帯を取り出し、電話をかけだした。