ハヤトにとって、この場所やこのファミレスは少し特別な場所だった。

「懐かしい?来た事あるのかい?」

すかさずエースは、ハヤトの言葉が気にかかり、ハヤトに聞く。するとハヤトは、目の前にあるファミレスの入口に向かいながら、言葉を返した。

「この町は、俺の地元だからな…」

「地元かぁ…土地勘があるのは、凄く助かるね」

この後、ファミレスに入った三人は、適当に注文を頼み、ドリンクがきたところで、エースが話出す…。

「これからだけど、ハヤトは何か提案あるかい?俺なりの作戦はあるんだけど、まずはハヤトの意見を聞いてみたくてね」

普段はエースの指示にジャックが従い、行動をするのだが、今回はハヤトが助っ人の形で、作戦に加わっているので、エースがハヤトの意見を聞く。

「俺か?…俺ならまずは、ここいらのライブハウスや、駅前で不審なガキどもを探すな。今回の事件は、未成年による犯行だって事が解ってるんだし」

ハヤトは、自分のドリンクに手をつけながら、そう答える。エースはハヤトの言葉を聞くと、何やら思案しながら言葉を返した。

「なるほど…確かに、未成年の犯行だと決めつければ、その行動が一番正しい。でも少し、安直過ぎるな」

「どう言う事だ?」

エースの安直という言葉に、ハヤトが目を鋭くさせる。

「今回の事件が、そんな単純な事で解決出来るレベルなら、とっくの昔に警察が解決しているって事さ。聞き込みや調書は、警察の土俵だ。大抵の情報は、警察手帳を振りかざせばすぐに手に入る…」

民間人と警察は立場が違う。警察官は、国の代表で事件の解決をしている存在なので、こと事件の解決に関しては、エース達よりも、捜査の手段が多い。

指紋や、DNA鑑定はもちろん、携帯電話の通話記録や、インターネットのIPアドレスなどなど、普通の人間には調べられない事まで調べる事が出来る。

「それに、犯人はもう100人規模で捕まっているんだ。ハッキリ言えば、こんなに捕まっているのに、何も解決に結びついていない事が、異常事態だ。間違いなく、裏がある…そこでだハヤト。俺達は、もっと別の方法で調べてみないか?」