「これも仕事を早く終わらせるためだよジャック。仕事に私情を持ち込むのはプロの仕事とは言えないんでしょ?」

「そっちは俺の方で、代役を用意する。まぁ、年はハヤトより若いが、ナツキに任せてみるのも面白かもしれないしな」

エースや銀次は、自分の相棒や部下を説得していた。ハヤトは異論というよりかは、自分の仕事の事が気にかかっただけだったので、代役を用意するならと良いと言って、了解していた…。

そしてジャックは…。

「…まぁ、お前の意見に従うよ。仕事だしな…」

苦手な人間であるハヤトだが、エースがそう判断したんだから、何かしらの考えがあっての行動だろうと思い、エースの意見に渋々了承する、ジャックであった…。

「それじゃ決まりだな。ハヤトはこれから、エース達と行動を共にし、俺達からの情報の伝達と報告と後は、お前なりの知恵を貸してやれ。多分、今の不良の考えを一番理解出来るのはお前だろうしな。俺とランは、エースとは違う方面で調べてみる。ミツハルは、ジャッジタウンの仕事を引き続き続けてくれ…俺かお前がいないと、何かと町で問題が起きた時困るからな」

銀次の言葉に、ミツハルとランは「はい」と返事を返す。

「解った。出来る限りの事はしよう…」

感情の起伏があまりない様に見えるハヤトは、クールにそう言うと、壁に寄りかかった体制を起こし、携帯電話を取りだした。そして、そのまま部屋を退席して行く…。

「…あいつは、いつもああなのか?もうちょっと愛想良くは出来ないのかね」

ジャックは、ハヤトが退席したのを確認すると、呟くようにそう言った。