神への挑戦

もっともらしい言い訳を言い、自分の言葉の正当性を言う内藤。

内藤の言っている事も間違ってはいないと思うハヤト。だがそれも気持の問題であって、正当性が問題ではないとも考える。

仕事時間中に仕事がないからと言って、寝てて良いのかと聞かれるとそれは違うと言えるのと同じ事で、今回も動かない方が賢明だからと言って、仕事を放棄するのはどうかと思ったのだ。

だが内藤はそんなハヤトの疑問などお構いなしに、ノリノリで親指を立てる。

「良いから着いて来いって。この場所で俺に文句の言える奴なんかいないんだし。俺の命令だって言えば、お前等の上司に文句を言われる事もない…特別にこの場所の真実をお前等に教えてやる。知りたいだろ?」

それは願ったり叶ったりな展開だ。ハヤトは少し考えたものの、ついに内藤の言葉にうなずいてしまう。リュウはと言うと何も言わずにじっとしている。どうやらハヤトの判断に身を任せる気の様だ。

「OK。そいじゃ行きますか…」

内藤は踵を返すと、歩きだした。ハヤトとリュウはそんな内藤の後に着いて行く…。

ハヤト達が歩いて行くと、複数の子供達がハヤトやリュウに視線を送る。しかしその目には生気が感じられない。

それがどうにもハヤトには遣る瀬無かった。

ハヤトも昔は生気がない人間であった。小学生の頃は無機物の様に、周りの人間に関して無関心であり、自分の事も他人の様に感じていた節があった。

ここに居る子供達が、昔の自分みたいに見えているのかもしれない。

「随分とガキ共が気になる様だな。可哀そうとでも思っているのか?」

内藤は背中に目がついているようだ。後ろで子供達の事を複雑そうに見つめているハヤトに内藤が問いかけた。

「いえ…別に」

「ふーん…そう。そりゃコイツ等は人間じゃないしな。可哀そうだとは思わんわな」

「…どういう意味です」

自分が内藤の話に誘導させられている事には気付いている。でも内藤の言葉に突っかかるハヤト。

この場に居る子供達の事を人間ではないと言う内藤の言葉に、ハヤトは視線を厳しいものにする。