俺の返答を受けたマリコは、少しムッとした表情をしたが、この状況や俺自身の考えを察したのか、表情を切り替えて違う質問をぶつけてくる。

「じゃあ……その傷って誰にやられたの?」

急に本題に入るかの様に質問を180度変えたマリコ。正直これも返答に困る質問だ。

ビックリし過ぎて少し傷が痛む…。思わず表情に出てしまい、マリコが慌てた様子を見せた。

「ごめんっ!やっぱいい!どうせ答えられないんだよね…傷痛い?」

「大丈夫だ…傷はまぁ痛むけど、痛み止めを貰えば済むから。悪いな…話したくても話せない内容なんだ。今はまだ話せない…」

「まだ…か。じゃあ次は話せる内容の質問ね」

まだ続くのか。睡蓮会絡みは決着がつくまで話せない。どうせそれに関係する質問だと思うけどよ…。

俺がマリコと同じ立場なら、何が何でも相手の情報を聞きだして、血祭りにあげに行く。許せる訳がない…。我ながら自分勝手だが、こればっかりは理屈じゃないからな。

話せない自分に腹が立つ。本当ならマリコに隠し事何かしたくないのに…。

俺がこの世でただ一つだけ信じられる唯一無二の愛情だから。

「ねぇハヤト…その……」

「なんだ?」

何をそんなにモジモジしてるんだ?いつもみたいに聞きたい事ははっきり言えば良いのに…。

「……して」

「うん?なんだって?」

「プロポーズ…して」

「はぃっ!?」

ななななななっ!まさか……。