神への挑戦

アイツがあの場所でやりたかった事。そしてそれを成し遂げた事…。

俺はこの目で見た。そしてその代償も見た…。

アイツの決意を見た。そして俺は、自分がどれだけちっぽけな存在なのかを痛感した。

俺は生きてこの場所を出ようと思った。マリコに会いたい。それにあの双子の思いを実現させたい…。

ある一つの事を除いてだが…。

深い闇を見た。およそ生きている間にあれだけの闇を抱えて生きる事など、凡人には考える事すら難しいであろう闇を…。

ケンカでは相手を倒す覚悟を決めるのと同時に、倒される覚悟を決めないといけない。それとは次元が違う覚悟。

相手を殺す為なら、自分が死ぬ事も辞さない覚悟。それをやってのけるあたり、アイツの覚悟は俺みたいな凡人には測りかねる。

俺にも出来る事がまだある。それを成すにはまずこの場所から出ないといけない。

俺はこんな場所で寝ている訳にはいかないんだ。

鍵を開こう。

そしてアイツの願いを…。

叶える事に専念しよう。





俺は目を開いた。そして辺りを見回す…。

どうやらタケシの策は成功したようだな。

そうでなければ、俺はこの愛おしい人の傍に居れる訳がない。不思議な事だが俺は、死線をさまようような出来事が起きた場合、自分の精神が安らぐ感覚を覚える。

そう言えばゲンに殺されかけた時もそうだったな…。

麻酔の影響なのか、体がうまく動かない。それどころか指一本動かせない…。

だから俺が起きた事を伝える事が出来ない。そうするべきか…。

取りあえずはこの横顔を眺める事にするか。