神への挑戦

世の中では今回の事件が終結の糸口すら見えていない中、人知れず一つの事件が終息していた。

解っている中でもジンが死亡し、ハヤトが瀕死の重傷を負った結果。だが目に見えるもの全てが結果に繋がる訳ではなく、この事件の結末は意外な方向に進んでいる…。

ジンの死がもたらす意味。それに睡蓮会内部での反逆者…タケシがハヤトをなぜ撃ったのか。

その理由を知るただ一人の男ハヤトは、深い闇の中で息を潜めていた。




「ふふっ…これはまた面白い事が解った。なるほどなるほど…」

睡蓮会本部B地区『アナザーヘブン』。そこに居る一人の男が、笑みを浮かべながら一枚の紙を見つめていた。

「そうかそうか。その為にアイツはこの場所に来たって事か…そうだよねぇ」

不気味な笑みを浮かべる男。年は30代の前半と言ったところだろう。だが睡蓮会本部での地位はそれなりに高いようで、随分と広い部屋に一人で研究室を持っているようだ。

乱雑に置かれた机の上の書類。1000冊を超えるのではないかという本が、本棚に納められている。その本の大半は、医療に関係する本ばかりだ…。

そんな部屋で独り言を喋りながら男は、抑えきれないのか高笑いを始めた。

「この場所から部外者が外に出る方法は、死んでバラバラになるか、患者として出るかの二つだけだからねぇ…ホント良くやるねぇ。流石の俺も一本取られたよ」

今度は、くっくっくと発作の様な笑い方を始めた。どうやら彼の中での最上級な笑い方はこの笑い方のようだった。

高笑いと奇妙な笑い方を交互に繰り返している。

「面白い事になりそうだよ。大幹部にとっては、恐怖のゲームが始まる…くっくっく。タケシ君を手伝って正解だったね。内容を知っている俺にとっては最高のショーだよ」