神への挑戦

エースの中で確信があっても、実際に現場を目で見てみないと100%とは言えないのだ。自分の能力は信じているし、ジャックやランがもたらしてくれた情報も信じている。

でもそれだけで行動してしまうのは、愚の骨頂なのだ。自分の眼でしっかりと確認し、目まぐるしく変わる状況に対応しながら行動しないと、エースがこの場に来た意味がなくなるかもしれないのだから…。

「そうだとしても、あなたは俺が答えていないのにも関わらず、何を持ってそう言っているのですか?自分の推測を信じているのであれば、俺に質問する意味などないのでは?」

「それは違うな。目に見える情報だけが真実じゃない。人は『絶対』に嘘をつくし、真実はいつも何かに隠されているものだ…相手の表情の変化や空気の流れなどを読むのさ。それに人間には感情があるから、全ての情報を隠し通すのは不可能なんだよ。たとえお前が、PMレインを服用している男だとしてもそれは同じなんだよ」

エースの発言にシンは極端に驚いた顔をした。今日初めてと言ってもいいぐらいの表情だ。

「お前…なぜ解った?カツミに聞いたのか?」

「いんや…カツミはお前の事は何も話していない。別に聞かなくてもお前の様子を見れば解るよ。お前はもう後には引けない状態なんだろ?カツミも同じくさ…」

エースは何かを知っていた。それはカツミがもたらした情報ではなく、エースの推論に基ずく理論。PMレインという薬がなぜ、医療の世界で普及していないのかを考えると、推測がついたのだ。

「薬の服用を続ければどうしても身体に抗体が出来てしまうから、次第に効きづらくなる。それに薬の性能上、薬を絶った時の『反動』も推測がつく。お前…もう半分身体が死んでいる状態だろう?」

「………」

シンはエースの問いに何も答える事はなかった。そんなシンの様子を見てエースは、自分の考えが当たっている事に気付いてしまった…。

それと同時に何とも言えない憤りを感じてしまうエース。