神への挑戦

リビングに居た男達は全部で7人と意外と少ない。だが、相手は全員刃物を所持した恐らく極道の人間。

人を殺す事に躊躇をするタイプの人間ではないのは、ランに行った行為を見れば明らかだ。なのに銀次は、このリビングに姿を現して会話をそこそこに乱闘を開始し、この場に居るジャックとランとソファーに座っていた初老の男以外を、簡単に片付けてしまった。

倒された相手は全て悲惨な事になっている。銀次は無慈悲にも相手のドスを奪うと容赦なくその武器を使い、相手を切りつけた。急所こそ外しているものの、相手は血だらけになり、もがき苦しみながら倒れているものも居る。

ドスで切られていない者も居るのだが、そっちも悲惨というか、銀次の渾身のパンチを食らい鼻の骨をへし折られている者も居れば、前歯を根こそぎ折られている者も居る。

簡単に言えばものの2、3分で、リビングに居た組員全員を文字通り半殺しにしたのだ。

公開処刑を終わらした銀次は、ジャックの方に視線を向けると、声をかける。

「頼みがあるジャック。ランの容体を見てやってくれないか?」

放心状態だったジャックは、銀次の言葉を聞くと、ランの事を思い出したのか、銀次に返事を返すとランに駆けつける。

「悪いな…ランを頼むぜ」

この時のジャックは慈愛に満ちた表情をしていた。さっきまでの鬼の様な銀次はどこにも見当たらない。

だがそれもほんの一瞬。

先ほどの銀次の強さを目の当たりにし、かなり動揺している初老の男に視線を向けると、先ほどの鬼気迫る表情に変えた。

「最後はてめぇだ…お前だけは絶対に許さん。普段は半殺し以上はしないんだが、今日は特別だ。4割増しで殺してやるよ…」

銀次の言葉には良くも悪くも説得力がある。そしてこの言葉にも十二分に説得力があった…。