神への挑戦

「マリコちゃんは聞いた事ないか?未成年の麻薬事件の話を」

「…ある。ニュースでやってたのを少しね」

マリコも未成年の麻薬事件のニュースを見た事があった。各メディアがこの事件を取り上げ、特番を組んでいた事もあり、話ぐらいは知っていたのだ。

「俺やサヨの学校を辞めた奴が、この麻薬事件に関わっていたんだ。かなり金の良い仕事だったみたいで、簡単に飛びついて警察に捕まったって話だ。俺はその事件をハヤトが調べていると踏んでいたんだが…どうやら違うらしい」

ミツハルが違うと断言していたものの、何かが引っかかると感じるヒサジ。ジンの事を探しているというハヤトの行動も気になるし、銀次も何やらこの仕事に絡んでいるという話だ。

キナ臭い雰囲気を感じずにはいられない。

だが、ヒサジはハヤトを探しに行くという選択肢を選ぶ事は出来なかった。

「取りあえずハヤトを信じよう。アイツは強い男だしな」

マリコの事をハヤトに頼まれたヒサジは、その約束を反故には出来なかった。それは男の約束だからだ。

「………」

押し黙るマリコの姿を視界に捉えながらも、ヒサジはハヤトの帰りを待つ事しか出来なかった。







ジャックの運転する車は、渋滞のラッシュ時間と重なり、思った様に進まなかった。そのイライラは小さいものから大きなものに変わり、ジャックは目に見えて不機嫌だった。

「早くしろっ!時間がねぇんだからよ」

クラクションを鳴らしたい気持ちを必死に抑え、車内で大きな声で怒鳴るジャック。クラクションを鳴らしたところで、渋滞が緩和される事などないのだが、高ぶった気持ちを抑える事が出来なくなってきていた。

そんな時に鳴り出したジャックの携帯電話。

ジャックは携帯を手に取ると、電話相手を確認した後、電話に出る。