神への挑戦

だが、ハヤト一人に任せて大丈夫なのだろうか…。ケンカの実力が確かなのは知っているが、世の中ケンカの強さだけで全ての物事を解決出来るほど甘くはない。

そしてハヤトには重大な欠点がある。それはエースもジャックも初めてハヤトに会った日に感じていた事。

ハヤトは自分に関して言えば、危機察知能力が欠けている。自分の事を軽んじている節があるのだ。それもかなり重症で…。

ジャックはそれらの事を考え、決断した。

「やっぱほっとけないよな。俺はエースほど、安楽的に考える事は出来ない…」

ジャックの根っこにある優しさが、ハヤトを危険な目に合わせる事を拒んだ。ハヤトをそんな目に合せるぐらいなら、仕事を諦める。

ジャックはそんな人間だった。

「それじゃ、本社ビルに向かうとするか…」

行き先が決まったジャックは、アクセルを深く踏み、車のスピードを速めた。





ハヤトと別れた後ヒサジ達は、祝勝会という雰囲気ではなくなり、会場の近くにあるファミレスでハヤトの連絡を待っていた。

ヒサジ自身は別に祝勝会にこだわる人間ではないので、それで構わないと考えたいた。先ほどからマリコの様子が変だし、サヨはそんなマリコのただならぬ雰囲気を感じとってか、暗い表情をしている。

ヒサジはそんな二人の様子をしばらく眺めた後、呟くように口を開く…。

「…ハヤトが心配か?」

小さい声で言ったこの言葉は、マリコの耳に届いていたのか、マリコは小さく頷いた。

その様子を確認した後、ヒサジは携帯電話を取り出すと、とある人間に電話をしだした。

「ミツハルさんか?ヒサジだけど…」

電話の相手は、ジャッジタウンに居るミツハルだった。

「随分と久しぶりだねヒサジ。どうしたの?」

ミツハルはいきなりのヒサジからの電話に驚いたのか、少し高い声音で話しだす。

「…ハヤトの事で少し聞きたい事があるんだ」