神への挑戦

推測の域を出ていない話を続けても水かけ論に終わる。それが解っているからこそ、エースは目の前のカツミという青年に答えを求めた。

「どんな方法で…ですか。単純な方法ですよ」

カツミは笑いながらそう話すと、続きを語りだす。

「カチコミをかけるんですよ。椎名製薬工業の工場の全てを一斉にね…」







ジャックは事務所から飛び出すと、車に乗り込み、ラジオをかけた。ラジオから流れてくる音は、先ほどの緊急ニュースで、更に詳しい内容の話が流れてくる。

「まさかこんな事になるなんて。嫌な予感しかしない事件だぜ全く…間違いなくミストが関係している」

ジャックは携帯を取り出すと、再度エースに連絡をしてみた。だが、先ほどと何も変わらず、電話は通じない。

ジャックは舌打ちを打つと、今度はハヤトに電話をかけてみる。この事件にハヤトが関わっている可能性も捨てきれないから。今度は何度かコール音が響いた後、電話は通じた…。

「ハヤトっ。お前今どこに居るんだ?」

ジャックは早口でハヤトに話しかける。

「俺か?俺は今、椎名製薬工業って場所に向かっているが…どうした?」

「はっ?お前どうしてそんな場所に…」

ジャックが今から向かおうとしている場所に、ハヤトもいま向かっている。ジャックは誰かの作為的な意図を感じた。

「いやぁ…ジンの情報が手に入ったんだよ。だから俺は、今からジンに会う事になったんだ」

ジャックの慌てた様子に、ハヤトは少し疑問を浮かべた様な口調でそう話す。

「ジンの情報が手に入っただと?ちょっと待てハヤトっ!お前一人か?」

「…一応三人だ」

「一応ってお前…今から俺もそっちに向かう。それまで待ってろ」