神への挑戦

ハヤトはヒサジからサヨの警護も任されているので、常に二人の近くに居ないといけない。

マリコが着いているのだが、しつこいナンパ野郎が出てきた場合、すぐに対処出来る位置にいないといけないからだ…。

「今まで連絡出来なくて悪かったなテツヤ。ゴタゴタを済ますのに時間がかかったんだ…」

「そうか。っで、要件は何だ?」

やっと事件に進展が起きそうなシンからの電話だったが、今は久しぶりのヒサジとの対面もあり、仕事の事は考えたくないと思っていたハヤト。

正直、要件をさっさと済ませ、電話を切りたいと思っていた。

「…いきなりで悪いんだが、これから仕事をこなしてもらいたい事がある。すぐにこれから言う場所に来てもらいたい」

「随分と急だな…いきなり来いと言われても、こっちも用事があるんだが」

当然ハヤトは、シンの強引な要件に、怪訝な返事を返した。よりにもよって、このタイミングで電話をしてきたかって感じだろう…。

「用事か……もう試合は終わったんだろ?悪いが『祝勝会』は今度にしてもらえるか?」

シンの発言に、ハヤトはかなり驚いた表情をする。それもそのはず、シンにボクシングの試合を見に行くなど、一言も言っていないからだ。

「…どうしてその事を知っているんだシン」

「その事もちゃんと説明する。だから一度、コチラに来てもらえないか?」

ハヤトはこの時、嫌な予感がしてならなかった。シンの声を聞いた時からか…または、シンの意味深な語り方がそう感じさせたのか。

今まで感じた事のない、底知れない何かを背中のあたりにぞわぞわと感じていた。

「…解った。今は知り合いを待っているから、到着し次第そっちに向かう。場所はどこだ?」

「葛城公園の広場だ。出来るだけ早く来てくれ…」