エース達が必死に集めようとしていた情報をカツミは、実にあっさりと話し出していた。

それはもう二人が拍子抜けするほどに…。

「やはりお前たちとシンジ達は関係があったのか…」

「えぇ。俺も最初はシンジに騙されているんじゃないかと思い、半信半疑だったんですが、シンジの仕事に関わるうちに、言っていた事が全て真実だと知りました…そしてこれは俺達にしか出来ない事だとも思いました」

カツミは実に穏やかな表情で話をしていた。それはもう、最初に聞いていた印象とはまるで別人の様な表情で…。

またしても銀次は、目の前のカツミという男に、違和感を感じていた。この前、刑務所で会った青年と同じ匂いを感じているのだ。

「そうか。なら具体的にお前達は一体何をしようとしているんだ?テロを起こすって話を耳にしたんだが…」

「おぉ!そこまで知っているんですか?この情報は外には漏れていないと思っていたんですが…良いでしょう。特別に教えますよ…」

カツミはエースの言葉を聞くと少し大げさに驚いた。そして少しタメを作ると、その先を話した…。

「おっしゃる通り、私達はテロを起こします…企業テロをね」

カツミの口から、企業テロと言う言葉が飛び出した。二人は少し驚いた表情をし、その後表情を怪訝なものにする…。

「企業テロ?一体何処の企業にテロを起こす気なんだ?」

聞き捨てならない言葉に、エースが反応を示す。

「それは後になれば解りますよ。それにお二人には多分関係ない事です…」

「ほぉ…それはどういう意味だ?」

ここに来て初めてとも言えるカツミの挑発的な言葉に、銀次が反応を示した。不良の性と言えるのか、こういった言葉には誰よりも早く反応してしまう銀次。