(あの野郎、何で手を出さない。手を抜いてやがるのか)
第二ラウンド開始前、ヒサジの相手選手は、歯がゆい思いを感じていた。
先ほどのラウンドは、作戦通りに動き、その作戦は功をそうしてヒサジ相手に、見事な立ち回りを見せた。天才と謳われているヒサジは、軽やかなステップと長いリーチを利用し、カウンターを狙うスタイルだ。
だからカウンターを狙われないように距離を詰めて戦わないといけないのだ。リーチに差がある分、距離を詰め、相手のパンチを殺す必要がある。
だが、先ほどのラウンドは、相手は何も手を出してこなかった。
カウンターを狙うには、自分の距離で、相手との距離を測る必要があるのに。なのにヒサジは、自分の距離を作っておきながら、一切手を出してこなかった…。
それはすなわち。
(俺の事舐めてやがるな…自分の方が格上だってか?舐めやがって)
また開始同時に距離を縮めて、ボディーを狙ってやる。相手の選手は、怒りにも似た感情で、そう考えていた。
そして第二ラウンドが始まる…。
「大丈夫かサヨちゃん?マリコっ。サヨちゃんを連れて、外で休憩してこい」
「うっうん。解ったよ…」
試合に集中し、サヨの様子を見していなかったヒサジは、この時サヨの小さい異変に気づいた。無表情にも似た、心の動揺が見え隠れする姿。それは、サヨの精神状態が黄色信号になっている合図だった。
(今の攻防で、この様子じゃ、殴り合いになったら、気絶しかねないな…)
マリコは、サヨの手を掴み、会場の外に出ようとした。だが…。
カンっ!
第二ラウンドの合図を告げる甲高い音が会場に響き渡った。
第二ラウンド開始前、ヒサジの相手選手は、歯がゆい思いを感じていた。
先ほどのラウンドは、作戦通りに動き、その作戦は功をそうしてヒサジ相手に、見事な立ち回りを見せた。天才と謳われているヒサジは、軽やかなステップと長いリーチを利用し、カウンターを狙うスタイルだ。
だからカウンターを狙われないように距離を詰めて戦わないといけないのだ。リーチに差がある分、距離を詰め、相手のパンチを殺す必要がある。
だが、先ほどのラウンドは、相手は何も手を出してこなかった。
カウンターを狙うには、自分の距離で、相手との距離を測る必要があるのに。なのにヒサジは、自分の距離を作っておきながら、一切手を出してこなかった…。
それはすなわち。
(俺の事舐めてやがるな…自分の方が格上だってか?舐めやがって)
また開始同時に距離を縮めて、ボディーを狙ってやる。相手の選手は、怒りにも似た感情で、そう考えていた。
そして第二ラウンドが始まる…。
「大丈夫かサヨちゃん?マリコっ。サヨちゃんを連れて、外で休憩してこい」
「うっうん。解ったよ…」
試合に集中し、サヨの様子を見していなかったヒサジは、この時サヨの小さい異変に気づいた。無表情にも似た、心の動揺が見え隠れする姿。それは、サヨの精神状態が黄色信号になっている合図だった。
(今の攻防で、この様子じゃ、殴り合いになったら、気絶しかねないな…)
マリコは、サヨの手を掴み、会場の外に出ようとした。だが…。
カンっ!
第二ラウンドの合図を告げる甲高い音が会場に響き渡った。



