ヒサジの試合は全て、圧倒的な大差で勝負を決めていた。新人王の決勝は6回戦だが、4回戦の頃から全て、試合はKOで勝っている。
判定までいかずに勝利を収めているのだ。自然と人気は出てしまうというものだ…。
「だが今回の試合は、相手も全てKO勝ちの選手らしいな。見た感じパンチはありそうだ…かなり良い後背筋を持っている。油断出来る相手じゃなさそうだ」
反対方向から来たヒサジの相手選手の様子を見て、ハヤトはそう言葉を漏らした。
坊主頭に筋肉質な体格。身長がヒサジよりも低い分、筋肉の量はヒサジよりも多そうだ…。戦績と姿を見る限りでは、一発のパンチは持っているように見える。
「判定はなさそうだな…さて、ヒサジはどう攻めるのかな」
知り合いがプロのリングで戦う姿をこれから見れると思うと、ハヤトは身体の血が騒ぐ感覚を感じていた。ハヤトも強さを求め、日々を生きている男だ…。
こういった試合を見るのを、楽しみに感じていない訳がなかった。
ヒサジの姿を目に収めたサヨは、ハヤトの喜々した様子とは裏腹に、膝の前にチョコンと置かれていた自分の手を強く握りしめ、表情を苦しそうに歪めていた。
座っている体制も背筋を伸ばし、背もたれには背中を預けておらず、見た感じは非常に姿勢が良い。
だがそのサヨの悲痛な表情や、時折口から洩れる吐息は、精神の不安定さ露呈している様に見えて仕方がなかった。
リング上に姿を現した両選手はリングアナの紹介を経て、両リングサイドに移動を開始した。
「いよいよ始まるな。そういえばサヨちゃんも、ヒサジの試合を見るのは初めてなんだよな?」
「うん…これが初めてだよ。いつも怖くて来れなかったから」
判定までいかずに勝利を収めているのだ。自然と人気は出てしまうというものだ…。
「だが今回の試合は、相手も全てKO勝ちの選手らしいな。見た感じパンチはありそうだ…かなり良い後背筋を持っている。油断出来る相手じゃなさそうだ」
反対方向から来たヒサジの相手選手の様子を見て、ハヤトはそう言葉を漏らした。
坊主頭に筋肉質な体格。身長がヒサジよりも低い分、筋肉の量はヒサジよりも多そうだ…。戦績と姿を見る限りでは、一発のパンチは持っているように見える。
「判定はなさそうだな…さて、ヒサジはどう攻めるのかな」
知り合いがプロのリングで戦う姿をこれから見れると思うと、ハヤトは身体の血が騒ぐ感覚を感じていた。ハヤトも強さを求め、日々を生きている男だ…。
こういった試合を見るのを、楽しみに感じていない訳がなかった。
ヒサジの姿を目に収めたサヨは、ハヤトの喜々した様子とは裏腹に、膝の前にチョコンと置かれていた自分の手を強く握りしめ、表情を苦しそうに歪めていた。
座っている体制も背筋を伸ばし、背もたれには背中を預けておらず、見た感じは非常に姿勢が良い。
だがそのサヨの悲痛な表情や、時折口から洩れる吐息は、精神の不安定さ露呈している様に見えて仕方がなかった。
リング上に姿を現した両選手はリングアナの紹介を経て、両リングサイドに移動を開始した。
「いよいよ始まるな。そういえばサヨちゃんも、ヒサジの試合を見るのは初めてなんだよな?」
「うん…これが初めてだよ。いつも怖くて来れなかったから」



