神への挑戦

銀次の仕事は、睡蓮会の情報を集める事にあるのだが、銀次の中で、この青年から睡蓮会の情報は出ないと踏んでいた。

出ても、銀次の知っている内容か、もしくは嘘の情報の可能性が高いからだ。

だから銀次の質問は、あの双子の行方に関しての質問に限定されていた。

「神の真の目的は俺にも解りません。俺はただ、自分の仕事をこなす構成員でしかありませんから。そして俺は、ミストの一員ではありませんよ。ミストとは、神の側に居る事を許された特別な存在ですから。俺は、『雨』と呼ばれているグループの一人です…」

(雨?初めて聞く言葉だな…)

「雨ねぇ。じゃあ、シンジはミストの一員なんだな?」

「えぇ。ミストの精鋭の一人です。不良の聖地で神に見い出された神の僕と言ったところでしょうか…実に羨ましい限りですよ」

(こちらの下調べとも合致してきたな。ミストにジン達が関わっている事と、睡蓮会に何やら用があるって事が…)

エースが感じたノイズの原因。そして、ハヤトが言っていた、ジン達の正体が見出生児だとい話。

そして、疑惑の渦中になる組織、睡蓮会の存在。

全てが点と点で繋がりかけている。そしてそれが全て線で繋がった時…。

かならず、さらなる事件が起きるはずだ。

「お前等の言うところの、神って誰の事を言っているんだ?」

確信にせまる質問。コイツ等の言う神の正体は、察しがついているものの、ハッキリとした確信を得たい。

銀次はそう考えていた。

青年は、少し考えたふりをすると、口を開く。

「…神は神ですよ。人ではなく、神様なんです。名前はありません…あの方は神様なんですよ」

その言葉を合図に、銀次の問いかけに青年は口を開く事はなかった。

おそらく、知っている情報は全て話したといった合図なのだろう。

(…腑に落ちねぇな)