「花魁…。」 襖の外からの声に、私は我に返った。 私達の仕事は私達を買った客(オトコ)を癒や事。 なのに……。 『幾松さ…』 「行ってきなさい。」 下から覗きこむようにして上目で話せば、しおらしいが演出でき、途中退座も客は立腹しない。 逆に、【もっと】と求めるのだ。 *