「行ったよ」 『有難う。利つ』 私はひょこっと、外を確認して襖の中からでてきた。 利つに嘘つかすのは後ろめたかったケド、見つかった事を想像すると怖くて、利つに頼んだのだ。 私と利つはこの青柳屋のひっこみ禿の中で最年少。 初めて紹介された時は、綺麗な顔だな…程度しか思っていなかったが、 誕生日が1ヶ月しかちがわない同じ歳だとわかった。 周りの朋輩は年上ばかりで、すぐに2人は仲良くなった。 *