恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「あ、それとさぁ」

「なに?」

「明日、また会えねぇかな。…今日、楽しかった。悪いな、最後あんなんで」

天先輩が床に捨てたキャンディの包み紙を、絹川くんがチラリと見る。





あ…また思い出した。

「…強引にしない?」

「…あぁ、悪い。今日は…早まったな。ごめんな」

バツ悪そうに、絹川くんは苦笑する。




「私こそ…ごめんね」

「おー。使いもんにならなくなったら、責任取ってもらうし」

あはは…。コメントのしようがないよ。

もう、二度とやりませ~ん。ごめんなさいっ。

口には出さず、心の中で絹川くんに謝っておく。




「じゃーな。また明日」

絹川くんは微笑んで私の手を取り、指に軽くキスをしていった。




それは…何だかあまりに自然で、されるがままになっていた私。

触れられた感触が、肌に残る。






家に帰ると、お兄ちゃんの友達はもう帰っていた。

ふぅーっ。

帰ってて良かったっていう安心感か、今日の出来事に疲れたのか、

大きいため息が出る。