恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

しまった…

とうとう

…やっちゃった…。





「ぅお…」

絹川くん、見事に床に崩れ落ちる。






困った時の急所蹴り。

お兄ちゃんに、教わった。





『どうしようもなくヘンな男に迫られた時は、迷わず股関を狙え。

間違ってもオレにはくらわすなよ?さやの足蹴はハンパねぇからな』





本当は…

こんな事したら

絶対ダメなんだよねぇ。






ごめんなさい…絹川くん。

つい、足が出ちゃった。




床に転がり、無言でうずくまる彼。






しまった。

やり過ぎたかな。





ちょっと怖くなって、しゃがんで顔を覗き込む。

「…ごめんね。大丈夫?」





うつ伏せになった絹川くんと…

目が合った。




うわぁ。

…涙ぐんでるよぉ?