恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「見せてよ」

「うー…」

「どしたの、唸って」

絹川くんは迷った末、お財布から一枚のカードを抜き取った。

うわ~、本当に免許証だ。




「…」

うわ。

表を見て、そのまま言葉を失った。





「…没収。マジマジ見ない」

絹川くんは、私の手からピッと勢い良く免許証を取り上げる。

「…ホンモノだった」

「だろ~?」

絹川くん…ホンモノだよ。ホンモノの…ヤンキーだ。

免許証に写ってた証明写真が…

全てを物語っていた。



眉毛ないし、目つき悪いし、髪色最悪…今の本人とあまりに違うその表情は

別人と言っても過言じゃない。



「…ひいた、よな?」

黙り込む私を見て、絹川くんは多少バツ悪そうに頭をかく。

「ん…。大丈夫」

大丈夫って言うのも、変だよね。…大丈夫じゃないって、言ってるようなもんだよ。



何だか不安になってくる。

絹川くん…今は優しいけど、何かあったら豹変するのかなぁ…そう思うと、ちょっと怖いかも。