恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「小銭、そこ入れて」

絹川くんが、私の目の前にあるボックスを指差す。

まぁ、いっかぁ。




チャリンと音を立て、数枚の小銭が機械に吸い込まれていく。

一つのブースの中にバイクがあって、目の前はもちろん、横にもご丁寧に大きなスクリーンがある。

うわ~、すごくリアル。

本当に走ってるみたい。




「お~、めっちゃテンションあがるっ!」

絹川くんがめちゃくちゃ嬉しそうな声をあげる。

「えーっ、何これ!」

スクリーンの映像は、バイクのスピードがあがるのと合わせ、

徐々に流れを早める。

さっきまでは公道を走ってたのに、いきなり滑走路に入り、スピードをあげ、

フワッと浮いた…

気がした。



うん、実際には浮いてないんだけど。

バイクはそのまま空に飛び、宇宙空間へ。

「きゃ~、何これぇ」

「すげーな!この映像、毎月コロコロ変わんだよな。今回は宇宙かよ~」

絹川くん、このゲームの常連さんなのか、そんな事言ってるし。