恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「偽物で悪いけど、乗ってくれる?」

振り向きざまに言う顔が、意外にカッコ良くて…笑える。

偽物なのに、絹川くんが乗ってると、ちょっと本物ぽいって言うか。

「振り落とさないでよ~…」

「了解~ってか、落ちないから。しっかり掴まっとけよ?」

「…」

変な感じ。

ゲームなのに、絹川くんと一緒にバイク乗ってるような気分になる。



お兄ちゃんのバイクの後ろに、何度か乗せてもらった事がある。

あのスピード感が…意外とたまらない。

自分で運転しようとは思わないけど、流れる景色を見ながら、大きな背中にしがみついてると…何だかあったかい気持ちになるんだ。



って、これはおもちゃだから…絹川くんに真剣にしがみついたりしないけどね!?

ハッと我に返り、絹川くんの背中を見る。



…うわ、私何やってんだろ。

抱き付くんだよねー。

これって、まんまとしてやられたというか…。