検診を終え、会計を済ませてビルを出る。
視力検査で前髪が鬱陶しかったのか、絹川くんは前髪をピンでスッキリあげ、眼鏡からコンタクトになった事もあり、かなり爽やかな表情をしている。
余計な物を全て削ぎ落とした感の絹川くんは、思った通りキリッとしてカッコ良かった。
うわ…思ってた以上にカッコいい。
あんまり見ないようにしよ。
「あ~、スッキリしたな。…よく見えるようになった?」
「…うん」
見え過ぎかも。
そこまで視力悪くなかったんだけど、今までは多少ぼんやりしてたんだ。
でも今は…絹川くんがやたらクリアーに見える。
「なー、今からどーする?」
「…任せるよ」
どのみち、私はまだ家に戻れないし。
一人で時間潰すのも何だし、しばらく絹川くんといても、いいかな。
「そだなぁ。…んじゃ、楽しいトコ行こっか」
絹川くんが私の肩にそっと触れる。
ドキッ
「ちょっとぉ?変な事、しないでよぉ?」
「変な事?…あ~そだな。さやが気持ち良くなれるトコ?」
絹川くんがニヤリと笑う。


