恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「さ~やっ」

絹川くん、手の甲を見つめ嬉しそうに私の名前を呼ぶ。

…そんな所、まぁ、ちょっと意外だし多少かわいく思えてくる。



「名前、間違えたら…帰るから」

「間違えるワケね~し。初デート日刻印!この文字が消えるまで、今日思い出してニヤケるわ」

何だか知らないけど、今日の日付まで書いてる。

何やってんだか…。




「絹川くんは、当麻だよね?」

「…知ってた?」

「うん。友達に聞いた…有名人だって事も」

「あーそぉ。…有名人ねぇ」

絹川くんはチラリと私を見る。




「ねぇ…入学式で会ったよね」

「おぅ。やっと気付いた?」

「だって、わかんないよ。髪の色も眼鏡も…あの時と違う」

「あ~?そっか、あの頃まだ色抜けてたったっけなぁ」

絹川くんは首を傾げ、唇に手をあてる。




そして、指をパチンと鳴らす。

「おっ、そーだよな。あの後だ」

「…何が?」