恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「あんな、オレちょっと他校のヤツらに目ぇつけられててさー。

今日見つかったら、ヤバいな…と」

絹川くんはそう言って、キョロキョロと辺りを見回す。



「そ…んな状況で私誘わないでよぉ」

不良に絡まれたら、私怖くてまた足がすくんじゃうよ…。



「あ、信じた?嘘に決まってんだろ。オレより強いヤツ、ここいらにはいねぇから。安心しな」

何言ってんだか。

…その方が重症な気がしてきた。

ケンカ強いって事は、売られたケンカは買う、みたいな

そんな危うさと背中合わせっていうか、

今日は…絹川くんから目を離しちゃいけないかも。



「なー。あんた名前なんての?そう言えば、オレ知らねぇわ」

「さや…」

「ふ~ん」

絹川くん、ニヤリと笑う。



聞いといて、ふ~んってどういう返しなんだろう…。

チラッと絹川くんを見ると、手にメモしてる。

「えっ!?何してるの」

「間違えるとヤだし。あんたも嫌だろ?」


…呆れた。

名前メモるって…頭ん中にどんだけ女の子の名前入ってるのよ~。