「お~、待たせたな」
放課後、絹川くんが我が物顔でうちのクラスに入ってくる。
クラスの子たちは、絹川くんの存在を知ってるのか、彼が通りやすいように自然と道を空けている。
「待ってませぇん」
机に向かったままシラッと応えると、絹川くんが私の後ろに回り込む。
「おら、行くぞ」
そう言って、私の脇を抱きかかえると無理やり連れて行こうとする。
「ちょっとぉ…やめてよっ」
「動いたら、揉むから」
「ひっ…」
俯くと、絹川くんの腕が私の脇から出て、胸の前でロックオン。
さ…いてい。
何こいつ…。
額田先輩より、もっと状況悪くなってない!?
仕方なく、絹川くんに体を預ける。
彼はヒョイと私を持ち上げると、近くの床に立たせた。
「…力あるんだね」
「おー。脳ミソも筋肉だ」
…納得。


