恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「…額田先輩に何て言ったの?」

「オレのだから、手ぇ出すなつった」

絹川くんはニヤリと笑って、爪先で私の足を軽く小突く。



「オレの…って、まだなってないし!」

「何だよ。額田に付きまとわれて、嫌だつってたくせによー」

「嫌だけど…、でも事実と違う…」



額田先輩は嫌だけど、絹川くんの方が立場が上なんだとしたら…

そんな人に、好きな人をあっさり奪われたら、嫌だよね。

さっきの負け犬のような表情を見ると…額田先輩が何だか可哀想に思えてくる。



「いーって。気にすんな。そのうち、現実になるからさぁ」

「なりませんーっ!」

「生意気言うなよ。今も、気になって見にきたんだろ?」

「違うもん」

「あーっそ。くだらね~言い合いやめようぜ。話すだけムダ」

そう言うと、絹川くんは腕を頭の後ろで組み、廊下を歩き始める。



くだらない…って。

な、何なのぉ!?