恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「あ、ほら。二人共そろそろ解放されるよ。さやはここにいてやりなよ。ね?」

月ちゃんは私の肩を押さえ、ニコッと笑って去って行く。



ちょっとぉ…?

私はどっちに声をかければいいわけよぉ。

月ちゃ~ん…!



困り果ててる間にも、先生の元を離れ二人が職員室を出てくる。

うわっ。ヤバ。



見つかりたくなくて、思わず職員室の扉の横の壁にはりつく。

「…お前、何やってんの?」


完全に呆れ顔の絹川くんと、少し驚いた表情の額田先輩。

二人の髪色はあまりにアンバランスで、一緒にいるのが不自然に見える…。


「あの…えっと」

私が何か話そうとすると、額田先輩はフイッと視線を逸らし、ポケットに手を突っ込み歩き出してしまう。

あ…どうしよう。



その瞳があまりに切なく見えて、思わず追いかけようと一歩足を出した所を、絹川くんの足に遮られる。

「…行くなよ」